依佐美送信所

愛知県刈谷市(旧:碧海郡依佐美村)の依佐美送信所は日本初の対ヨーロッパ無線通信施設として、IEEEよりマイルストーンに認定されました。

依佐美送信所の歴史

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IEEEマイルストーンへの道

IEEEマイルストーンの認定

IEEEマイルストーン「依佐美送信所1929年」平成20年(2008)11月11日最終承認 平成21年(2009)5月19日受賞(贈呈式)

 IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)とは電気電子技術者協会という世界的な組織です。同団体が電気・電子・情報・通信の分野で技術的な成果として、産業や社会に多くの貢献を認められた歴史的な業績を評価するものです。マイルストーンは「道標」「道しるべ」という言葉ですが、技術の進歩の中で特色ある技術として新しい道を切り開いてきた、というような意味があります。

マイルストーン認定の条件

 その技術や機械、施設などにより成果が出て25年以上を経過していること。世界初、世界一というのではなく、技術的に優れていて地域社会や産業の発展に貢献し、インパクトを与えたことなどが必要です。

マイルストーン認定の意味

 IEEEマイルストーンは電気の技術分野における「ノーベル賞+世界遺産」ともいわれています。対象が科学的技術的に非常に優れたものであることに加えて、技術遺産あるいは産業遺産として社会的かつ文化的な性格を有していることが求められます。電気・電子・情報などの技術の進歩は早く、我々の生活を大きく変えていますが時間と共にそれが日常となり、そうした技術の優れた面や恩恵が忘れられてしまうこともあります。
 同時に、苦労してこうした技術を生み出したエンジニア、企業などの組織体の功績を正当に評価し、世界中から認められるようにしようという目的があります。歴史的に重要な事物や場所の保存を奨励することもめざしています。

IEEE(電気電子技術者協会)とは

 もともとはアメリカの電気学会であるAIEE(1884年創立)と無線学会のIRE(1912年設立)が1963年に合併して誕生した組織。会員総数40万人ほどで電気・電子・情報・通信などの分野の学会で、ニュージャージー州ラトガース大学に拠点があります。この組織の中に歴史センターがあり、社会に貢献した功績の表彰制度として1983年にElectrical Engineering Milestone Program(電気技術の歴史的記念物制度)として創設されました。

日本のIEEEマイルストーン

マイルストーンは全世界で約101件あり、日本はアジア・太平洋地区のリージョン10に属しこれまでに認定されたのは15件で、すべて日本です。

2011年現在、日本のマイルストーン

受賞テーマ 対象年 贈呈式年月日
八木・宇田アンテナ 1924年 1995年
フェライト開発・応用 1930年~1945年 1995年
富士山レーダー 1964年 2000年
東海道新幹線 1964年 2000年
電子式水晶腕時計 1969年 2000年
電卓の先駆的開発 1964年~1973年 2005年
家庭用ビデオVHS 1976年 2006年
鉄道自動改札 1965年~1971年 2007年
日本語ワープロ 1971年~1978年 2008年
依佐美送信所 1929年 2009年
高柳テレビジョン 1924年~1941年 2009年
太平洋横断衛星テレビ中継 1963年 2009年
黒部第四発電所 1956年~1963年 2010年
太陽電池の商業化及び産業化 1959年~1983年 2010年+
NHKの衛星放送 1984年 2011年