依佐美送信所

愛知県刈谷市(旧:碧海郡依佐美村)の依佐美送信所は日本初の対ヨーロッパ無線通信施設として、IEEEよりマイルストーンに認定されました。

依佐美送信所とは?

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分解調査

 依佐美送信所の高周波発電機は、その役目を終えた2機のうち1機は、新設された「依佐美送信所記念館」に展示用として移設され、残りの1機は廃棄されることになりました。そこで、廃業される1機について電子情報通信学会東海支部が内部構造をより詳しく調査するために、2日間にわたり分解調査を実施しました。併せて分解時の作業を映像として記録。そのDVD化、詳細な実測図の作成を行いました。

目的

 1994年(平成6年)に依佐美送信所がアメリカ軍から返還されて以降、地元を始め電子情報通信学会や産業遺産関係者などの同施設への関心が高まり、特に施設内の高周波発電機の構造が着目されるようになりました。関係者によれば、この発電機がアメリカの技術者アーネスト・アレキサンダーソンの発明したものではないかと推測されていました。しかし、設計、製造がドイツ社のため確かではなく、また内部の構造が詳細に分からないため不明でした。そこで、発電機のうち一つが廃棄されるのを機に、関係者によって内部構造を調査し、どういった形式の発電機であるかを明らかにしようというのが「分解調査」の目的です。

分解調査日

2006年(平成18年)3月6日-7日の両日

分解の手順

  • 1.高周波発電機に駆動力を供給する直流電動機と直結しているボルトを分解し、両機を切り離し、高周波発電機のカバーを外しました。(写真1)
  • 2.高周波発電機の回転子を外すために、一部床に埋まっていた同機をクレーン車を使って、30cmほど引き上げました。回転子、固定子の形状等が明確に分かります。(写真2)
  • 3.直流発電機の反対側から、クレーン車を使って回転子をゆっくり引き抜く準備をしました。この固定子と回転子の間は約1mmという精密さのため、間にガラス繊維製の保護板を挟み込み、半日かけてゆっくりと引き抜きました。(写真3、4)
  • 4.全部引き抜いた状態の回転子には外周の側面に、中央ベルト上のへこみを挟んで両側に「磁極」がみられ、この数が256個になります。(写真5)


【1】


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データ

 高周波発電機の総重量は38トン。回転子の重量は21トン。
 取り出した回転子の直径は1.87m。胴部の長さは約1.1m。

実測図

図1=高周波発電機組立図(作画=石田正治氏・中部産業遺産研究会)
図2=回転子(誘導子)・固定子組立図(作画=石田正治氏・中部産業遺産研究会)


図1


図2